住職の次男の崇紀(しゅうき 俗名は貴紀)が、平成22年3月から平成22年4月までの約1年1ヶ月間、大本山總持寺で修行してきました。「一年間はしっかりと修行したい」との志で上山(じょうざん 修行の為に本山に行くこと)しましたが、修行の成果が感じられます。現在、東照寺でのご法事のやり方や各種行事の作法を勉強中です。檀信徒の皆さんと接する機会も多くなると思われますのでよろしくお願いいたします。

 なお、ここで、曹洞宗の本山での修行について記載いたします。
 修行は厳格なもので、最初の百日間は特に厳しく、一般的な生活とは違う仏道修行に耐えられる人間であるかが試され、そして意識を変えさせられる期間でもあります。脱落する人も必ずと言っていいほどいるわけで、身と心を研ぎ澄ませなければ乗り越えられない壁でもあります。
 修行僧の一日を紹介すると、4時に起床し、洗面の後、15分後には朝の坐禅。5時頃に朝のお勤めが約1時間。朝食はお粥と漬物とごま塩のみ。食後は作務(さむ 堂内や境内の掃除)。昼の食事は、一汁一菜。夕方にも晩課(ばんか)といって本堂でのお勤め。夕食も昼と同じ一汁一菜。入浴の後に夜の坐禅。午後9時には就寝となります。
 これらの間に、各種法要や曹洞宗の教えや作法等々についての指導を受ける時間、あるいは、覚えなければならないことを自主学習する時間など、特に新人の修行僧には自由な時間などまったくない日々を過ごしていきます。厳格な上下関係の中で、間違いなどあれば厳しく叱咤されるのですから、緊張の毎日となります。
 もちろん、携帯電話など持ってはいけません。最近は、たまに、必要最低の連絡として公衆電話から数分の連絡は可能のようですが。一般的な社会生活では考えられない生活であり、当然のことながら、そうでなければ修業とは言えないわけですから・・・。
 
 無事に本山での修行を行ってきましたが、これから更に弁道し、成長することを楽しみにしています。 
                                                          住職
次男の崇紀が 大本山總持寺で修行を終え帰山
大本山 總持寺 大祖堂 (だいそどう)
畳 千畳敷き。朝夕の勤行などが厳修されます
 左の写真は、上山する際のいでたち。

 緊張の中で、ひとり一人が記念の写真を撮ります。

 下の写真は、この日、8名の修行僧が一緒に上山しました。一列になり山門をくぐり、「木版三打(木版という鳴らし物を3回打ち鳴らすこと)」して、上山の許しを請うことになります。
 同じ日に上山した人たちを「同日安居(どうじつあんご)」といいます。厳しい修業の中で苦しみを一緒に乗り越えるわけであり、本山を下りた後も心に残るメンバーになります。

 なお、平成22年の春に上山した修行僧は、63名でした。

左下は右から二番目。
右下は前列右から二番目が崇紀です。
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