新西国第三十二番  銀山 延命寺

 あなとうと みちびきたまえ かんおんじ とおきくにより はこぶあゆみを

                         (西国三十二番 観音正寺御詠歌)
【宗旨】曹洞宗 永元山 延命寺

【御祭祀】聖観世音菩薩 【寺宝】延命地蔵尊            

【別当】兼務住職 三吉由之(山辺町 安国寺)           

【御朱印所】 昭和館  рO237−28−2151

【由緒】

 銀山温泉は、銀山川の山あいに静かな湯煙をたてている。今時こんなに落ち着いた雰囲気の温泉街は珍しい。これが銀山温泉の魅力であり、山峡の出湯と称賛されるゆえんだろう。この閑静な温泉街一帯の山々は、その昔日本屈指の大銀山で栄え、おびただしい人で賑ったという事がうそのようであり、またあまり世に知られていない。この銀山は野辺沢銀山といい、康正二年(一四五六年)加賀金沢の山師儀賀市郎左衛門が霊夢をみて発見したという。佐渡や院内銀山とともに諸国に聞こえた大鉱山で、最盛期の寛永の頃は各地から多くの労働者や商人が集り、八百八町といわれる銀山町が作られていった。寺院も四十八ヶ寺が開かれ、延命寺も最盛期の寛永年間(一六三〇年頃)向川寺十五世によって開かれたが、大正二年の大洪水で流失してしまった。

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