21.「“の”の関係
 」


昨年、NHKのBS放送だったでしょうか、
茶道裏千家の前家元であります大宗匠 千玄室氏がアナウンサーと対談をされておりました。

 色々なお話がなされ、興味深く聞いておりましたが、
その中で、人間は、“の”の関係をつくらなければならないと語られていました。
 親であれば子供、学校の先生であれば生徒、夫であれば妻に対してということになりますが、
「この子の親」「この生徒の先生」「この人の夫」になりなさいと。
逆の立場も同様なわけです。

 今の世の中、どうしても「子と親」「生徒と先生」「妻と夫」になっている。
間が “と” で結ばれると、対等であり、その言葉の意味としては
“の” で表わす愛情や、慈しみ、尊敬といった
それぞれの立場でのあたたかみのある関係になっていないわけです。

 蛇足のようですが、 “と” が入るというのは、
“戸” が間に入って人間関係を遮断しているということもおっしゃっていました。
みずくさくなるということでしょうね。

 あたたかみのある人間関係を作っていますか。
相手を思いやる気持ちを持つことが “の” の関係を作ることなのでしょう。
 平成23年の目標に「“の”の関係づくり」とするのもいかがでしょうか。

住職 合掌

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