17.「 祈願と直心 」


◆ ご祈祷 ◆

ご祈祷は神社(神主)だけが行うものと思っている方もおられるようですが、
密教系の寺院を中心に、天台宗、日蓮系、そして禅宗の寺院でも行われています。
大般若会(だいはんにゃえ)は、ご覧になったことがあると思います。
大勢の和尚さんたちが六百冊のお経本を転読して祈祷する行事です。
東照寺では行っていませんが、曹洞宗のほとんどの寺院で毎年行われています。
そのほかの年中行事でもご祈祷は行われます。
また、家を建てるときの地鎮祭などや道路工事に伴う供養塔などの移転の祈祷、
車やバイクを購入した際の交通安全祈祷、合格祈願、厄除け祈願、
その他各種のご祈祷を行っています。
昨年、檀家の関係者でもないのですが、最上町の方が息子の車を購入したので
「東照寺さんで是非ご祈祷していただきたい」といらっしゃいました。
交通安全のご祈祷を勤め、喜んでお帰りいただきました。
檀信徒のみなさまにも菩提寺でのご祈祷をお勧めいたします。

◆ 合格祈願 ◆
今年度は私の三男が大学受験です。
長男の高校受験以来、毎年のように続き、今年が最後になります。
いや、「なってほしいと願っています」の方が正しい表現になりますが・・・。
息子の受験の年は、私も親ばかで、受験が近づくとご本尊と文殊菩薩様に向かい合格祈願を始めます。
もちろん本人の学業の努力がなくては合格もなく、神仏への祈願だけでは論外なわけですが、
願いを込めて手を合わせる行為により、本人のモチベーションが上がってくることは間違いありません。
「直心是道場(じきしんこれどうじょう)」という言葉があります。
「素直な心があれば、どんな場所、環境にあっても、修行できる所となる。」ということですが、
逆に言えば、いくら環境を整えて良い話をしても、素直な気持ちがなければ、耳には入っていかないということです。
合格祈願も、祈願する人が素直な気持ちにならなければ成立しない行為ですし、
その行為が、自分を奮い立たせる成果をもたらすのです。

副住職 合掌

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