4.「○○寺」と「○○院」
どんな違いがあるの?
先日、地元のある集まりで、お酒を飲みながら語り合っていたとき、
私の菩提寺は「○○院」なんだけれど、東照寺さんの「○○寺」というのと、違いはなんですか?
との質問がありました。
そのときに明解なお答えができなかったので、調べ直しまし、載せることにしました。
「
寺」というのは、中国が漢と呼ばれていた時代に、
高級官僚や外国からの来賓を宿泊させる建物のことを表していたのだそうです。
それが、時が移るとともに、僧侶が住む建物のことをいうようになったのです。
「
院」というのは、もとは寺の敷地内の一部の別の建物のことをいったのですが、
これも時代と共に、寺に付随する建物のことのみをいう場合のほかに、
独自の建物のことをいう場合にも使われるようになりました。
そのほかに「庵」や「坊」があります。
「
庵」は、「あん」や「いおり」とも読みます。
俗人が住む集落から離れ、寝泊りができる程度の質素な建物の意味があります。
俳聖芭蕉が住まいした「芭蕉庵」や良寛さんが暮らした「五合庵」などは、有名です。
出家した人や世俗を離れた生活を好む隠遁者が住む小さい建物の意味です。
「
坊」は、大きなお寺に帰属する小さな寺院をいいます。
山形県内では羽黒山のふもとに多くの「坊」がありますね。
このように、多くの呼び方がありますが、「
寺」も「
院」も今では
同じと考えて結構です。
庵寺や坊というと、小さいお寺が多いようですが、逆に大きなお寺も少なくないのです。