曹洞宗の仏事としきたり
 仏壇とは  仏壇を購入したら  仏壇のまつり方
 線香は何本  遺体を北枕にするのは  枕飾りと枕経

 仏壇とは                              ▲はじめに戻る

 お寺の須弥壇(しゅみだん)をご存知ですか。本堂正面のご本尊がお座りになっているところです。仏教では一番高い位置のところを山にたとえて須弥山(しゅみせん)と言います。それになぞらえてお寺の一番中心である本堂の正面にその場所を作り礼拝するのです。家庭にある仏壇は須弥壇をなぞって作られています。似ているでしょう。
 中心にご本尊(お釈迦様)を安置し、日々、お釈迦様のみ教えに近い生活をする誓いをする場所であります。また、ご先祖への報恩感謝を示す場所でもあります。
 現在のように仏壇が各家庭に普及したのは江戸時代頃からと言われていますが、仏教は自宅で礼拝がする習慣があります。仏壇の前で静かに合掌礼拝する姿は清らかであります。自分を磨く場所にしていただきたいと思います。余談ですが、キリスト教の神父さんが、このようにすばらしい仏壇をうらやましく感じたとも言われております。
 仏壇を購入したら                        ▲はじめに戻る


 仏壇にも宗派によって形式に違いがあります。購入に際しては販売店に宗派をはっきり伝えて購入してください。
 購入の時期はお盆や彼岸、不幸があった時や命日などをきっかけに購入される場合が多いのですが、いつでも結構です。
 新しく仏壇を求めた場合は、すぐに菩提寺の住職に開眼供養(かいげんくよう み魂入れ)をしてもらいましょう。ご本尊や位牌などを購入する時も同じです。「仏作って魂入れず」ではいけません。
 古い仏壇から新しい仏壇に買い換える場合は、今までのご本尊や位牌から新しい方に、み魂を抜いて移し変える法要が必要になります。
 いずれにしても、菩提寺の住職にご相談をしてください。
 仏壇のまつり方                          ▲はじめに戻る

 前に示したように仏壇はお寺と同じですから、一番上の中心にご本尊をまつります。曹洞宗では基本的に三尊仏(真中がお釈迦様、右に永平寺を開かれた道元禅師さま、左に總持寺を開かれた瑩山禅師さま)をおまつりすることになっています。ご先祖のお位牌はお釈迦様の脇になります。
 ご先祖のお位牌を上段の真ん中に置いたり。お釈迦様がご先祖のお位牌で隠れている仏壇を見かけます。これは間違ったまつり方です。
 お供え物は、本尊様やご先祖に供養の心を物で表すものです。毎朝ご飯を供えてください。朝食はパン食でご飯を炊かないのだがという方は、パンでも結構です。毎日供える気持ちが大切です。
 線香、ローソク等の位置は一番手前になります。机があれば、真ん中に線香立て(香炉)、両脇にローソク立て(燭台)、その外側に花立て(花瓶)となります。これは、燭台と花瓶が一対ずつある場合です。燭台と花瓶が一個ずつしかなかれば、香炉の右に燭台、左に花瓶となります。また、お水も忘れずにお供えください。
 香炉の正面は香炉に模様があれば、座った人の正面になるように置いてください。 模様がない場合は、香炉はほとんど3本の足が付いていますので、その内の一本が座った人の正面になるように置いてください。
 線香は何本                             ▲はじめに戻る

 線香は一本で結構です。香炉の真ん中に真っ直ぐに立ててください。坊さんが儀式法要を行う時は、事前に二本立て(迎え線香という)、導師の和尚様が真ん中に長い線香をお供えします。このように、左右に二本立てた後に、真ん中に一本立てるとすれば三本でもいいでしょう。
 お香は本来、清らかな香りをもたらすものですが、現在、一般的には「抹香臭い」などと、あまり良くない臭いとの評価があるようです。しかし、良いお香は心を穏やかにするものです。今、アロマテラピーが流行していますが、同じ事なのです。良きお香との出会いをお勧めします。
 線香をお供えするのは、何本とかにこだわらずに、良き香りをもたらす線香を一本でも半分でもいいですから、お釈迦様、ご先祖と一緒に分かち合う事が目的なのです。
 遺体を北枕にするのは                      ▲はじめに戻る

 亡くなられたら、末期の水でお口を湿らせた後、お体を拭いてあげ、死化粧(女性はお化粧を、男性は髭を剃ってあげるなど)をした後、遺体を北を枕に寝かせます。これは、お釈迦さまが亡くなられる時に、右脇を下にし、頭を北になされたことから、お釈迦様に習ったものです。部屋の関係で北を枕に出来ない場合は、なるべく北に近い方向にしてください。
 枕飾りと枕経                             ▲はじめに戻る

 遺体の枕元に供養する壇を設けるのが枕飾りです。小さい机に白布を掛け、遺体に向かって右から燭台、香炉、花瓶を置き、水と枕だんご、枕飯を供えます。ローソクの火と線香は絶やさないないようにします。遺体の胸元(布団の上)に魔除けの小刀や剃刀を置き、手に数珠を持たせます。
 枕飾りが出来たら菩提寺の住職を招いて枕経(臨終の時のお経)を読んでいただきます。
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